ロードバイクに乗りたい!初めてのギアチェンジに挑戦!わたしがローディーになるまで(その2)

前回からの続きです。ただしこの次のセリフは「や、や◯おかさん!!」ではありません。

ロードバイクって何でこんなにギアがあるの?

チャリオジさん!
ロードバイクには何でこんなにギアがあるの?
どうやって操作するの?
前と後ろのギアはどうやって使い分けるの???

はいはい、それを理解するためにこれから一つ一つ説明していきますね。
わたくしさんは、なんのためにギアチェンジをしていくのか分かりますか?

(おいおい、素人だと思ってナメんなよ…)
いや、そりゃあ、加速したり、坂道を楽に登ったりするためですよね?

まあ正解といえば正解なんですが、点数にすれば50点位の解答ですね。
より正しい答えは、自身の体力をより効率よく『進む力』に変換するためです。

これにより、必要以上に疲れることなく、ロードバイクという趣味を長く楽しむことができるようになるんですね。

サイクリングを趣味とするものなら誰もが憧れるしまなみ海道。
広島県の尾道から瀬戸内海の島々を経由し、愛媛県の今治までの距離はおよそ80kmあります。

なるほどー。何十㌔も走るコースが多いけど、その度にヘトヘトになるまで疲れたら、趣味が続けられないかもですね。
(ちょっとイラッときたけど)

そうです。
自転車を趣味とすることの醍醐味は、走りながら、気になった場所でその土地の魅力を発見し、体感することにあると思うんです。

それを楽しむためにも無駄に体力を消費しないようなギアチェンジをマスターすることが重要なのです。まずは、基礎的な仕組みから理解していきましょう。まず・・・

ロードバイクには、フロントとリアにギアがありますので、まずは、それぞれの役割を
説明します。

大きく変速する”フロントギア”

フロントギアを構成するのは、上の図のとおりです。大小2枚のチェーンリングのギア比の違いで大きく変速します。

その切替をするのが、ディレイラーですが、このディレイラーは、音楽などで使われる”Delay”(遅らせる)ではなく、”Derail”(レールを外す)の意味となります。

チェーンがチェーンリングのアウターにあるときはペダルが重く、インナーにあるときは軽くなります。

ハンドルについているシフトレバーを操作するとディレイラーが動いてアウターとインナーの切り替えをします。

ロードバイクは通常2枚のチェーンリングで構成されていますので、チェーンが外側の大きなリングにあるときは重い、内側の小さなリングにあるときは軽い と覚えましょう。フロントのときは…ですけどね。

はいはい。大きい外が重くて、小さい内側が軽いね。

細かい調整をするときの”リアギア”

後輪の中央にあるリアギアは、歯車(スプロケット)と変速機(リアディレイラー)の構成です。

フロントの歯車はチェーンリングといいますが、リアの歯車はスプロケットといいます。

スプロケットは、フロントより歯車の枚数が多く、8枚から11枚となっています。傾向として、高性能なものほど枚数が多くなります。

ギア数が「2×10」と書かれているときは、「チェーンリングの歯車の枚数(2枚)×スプロケットの歯車の枚数(10枚)」を表しています。

10 速用スプロケット(歯車の枚数が 10 枚)

スプロケットはチェーンリングとは逆に、内側の歯車ほど大きく、外側の歯車ほど小さくなります。

内側の歯車を”ロー側”と呼び、外側の歯車を”トップ側”と呼びます。内側にいくほどペダルが軽くなり、外側にいくほどペダルが重くなります。

ん、ちょっと待って! 後ろは内側の大きい方が軽くなるってこと??

はい、ギア比の関係で・・・
ギア比は、動力側つまりフロント側の歯数÷リア側の歯数で算出されます。
ギア比が大きくなると重くなりますので、フロントの歯数とリアの歯数の差が大きいほど重くなるということです。

おっ、おう…

スプロケットのチェーンの位置を変えるリアディレイラー。フロントと同じく、ハンドルに装着されているシフトレバーを操作すると、このディレイラーが動き、チェーンがスプロケットの歯車を移動して変速をします。

構造を理解していただいた(?)ところで、次からはいよいよ操作の説明になりますが、よろしいですか?

え、あ、はい。お、お願いします…

ロードバイクの歴史を塗り替えたシマノ・デュアルコントロールレバー

ギアチェンジはこのレバーでおこないます。

へっ? それはブレーキですよね?

はい。そうなんです!
ロードバイクは、ブレーキレバーとシフトレバーが一体になっている「デュアルコントロールレバー」が一般的です。

これはシマノが開発したもので、それまでのロードバイクの歴史を一変させたんですね。それまでは、レバーがこのあたりにあって、ギアチェンジする際はいちいち手を離さなくてはいけなくてですね・・・

【デュアルコントロールレバー】
1990年、STI(シマノ・トータル・インテグレーション)思想のもと、シフト操作とブレーキ操作を1本のレバーでおこなうデュアルコントロールレバーが誕生。(ShimanoHPより)

過酷なレース環境においてハンドルを離さずに正確なシフト操作ができるこのシステムは、まさにそれまでの自転車レースの歴史を塗り替えるイノベーション的プロダクトとなりました。

(長々~長々~長々~長々~長々)
それでですね~ もともと自転車のシフトシステムは、イタリアのカンパニョーロという会社が開発したものなんですけど、シマノに開発されたのがよっぽど悔しかったのか、微妙に仕様が違うものをですね・・・

ええと、すみませんが、先に操作方法をお願いします。

あ、はい…(´·ω·`)ショボーン

フロントギアはハンドル左側の2つのレバーで操作します。

(説明1)乗り手から見て奥側の長いレバーを内側に押すと「アウター」(大きなギア=重く)に、

(説明2)乗り手から見て手前側の短いレバーを内側に押すと、「インナー」(小さなギア=軽く)に

【(説明1)フロントギアをアウターに】
【(説明2)フロントギアをインナーに】

それぞれ変速ができます。

ちなみに、チェーンがアウターにあるときに(説明1)の操作をしても、レバーが上手く動かず、間違った操作をしていることが直感的に分かります。逆も同様です。正常にレバーが動作すると「カチッ」という音がします。

手前側のレバーがインナー、というのは直感的で分かりやすいですね!

リアギアの変速は・・・

リアのギアは右のレバーで操作します。リアギアのほうがこまめに変速するので、利き手側で操作しやすいですよ。
ただ、フロントギアとは逆で、手前側のギアが重くなる方の操作になるんです。

え?、あー、そうなんですね。
まあ、でも慣れればなんとかなりそうですね。

リアギアは、ハンドル右側のレバーで操作します。

ペダルを重く(トップ側)するには 手前側の短いレバーを内側に、ペダルを軽く(ロー側)にするには 外側の長いレバーを内側に軽く押し込みます。1 回押し込むごとに、1 段階ずつ変速します。レバーを離すと元の位置に戻るので、カチッと音がしたら指を離しましょう。

【ギアをトップ側にする操作(重くなる)】
【ギアをロー側にする操作(軽くなる)】

そうですね。頭で考えるとややこしく思えますが、慣れれば、特に考えることなく変速できるようになると思います。

ギアチェンジは、シフトレバーを押してからペダルを回してもギアが変わりますが、スムーズにギアチェンジするために、ペダルを回しながら行いましょう。

実際にギアチェンジにトライ!

実際にペダルを回さないとギアが切り替わらないので、実際にやってみましょう!

ええ~! いや、ちょっと、いきなり乗るのは怖いんですけど!!

はい、ですので、初心者さんにいきなり試乗は難しいので、専用のサイクルスタンドに固定して、ギアチェンジを体験できますので、実際にやってみましょうか。

ピックアップフィールドギアではこのようにスタンドで試すことができます。気に入ったものがあれば、敷地内を試乗できますよ。

おおー!普通のシティサイクルと違って、メチャメチャ軽快にギアが切り替わりますね!
でも、どうやってロー側とトップ側、それからフロントギアを使いこなすの?

そこなんですよ!
プロ選手とアマチュアの大きな違いはこのシフト操作にあるわけです。
一番の基本は、ケイデンスを一定に保つことです。

出た!ケイデンス!◯虫ペダルで読んだ!サカミチくんの得意なやつですよね!

【ケイデンス】 1分間にペダルが回転する回数のこと。単位はrpmです。ロードバイクの場合、平坦な道で80rpmくらいが標準的と言われています。上り坂になると、同じギアの負荷なら当然回転数が落ちます。ここでギアチェンジをして負荷を下げて、極力回転数を一定に保つようにします。これがケイデンスを一定に保つ、という意味です。

(無視)
ギアチェンジは、ペダルの回転数のペースが合わせにくくなる時に行いましょう。
フロントとリア、それぞれどんなタイミングが良いか、解説していきますので、よく聞いてくださいね。

フロントギアを操作するタイミング

フロントギアは、坂道など、道の傾斜が変化するタイミングで、変速するのがおすすめです。

ポイントは、傾斜が変わってからというよりは、その直前で変速することです。

特に上り坂の場合、坂に入ってからギアを操作すると、一定のケイデンスを保てなくなるばかりか、筋肉に余計な負担が掛かり、疲労を蓄積してしまいます。

上り坂から平地に戻るタイミングも同様で、リズムが狂わないように意識しましょう。

長い時間走ったり、微妙に向かい風が続いたりして、足に疲労を感じてきたら、無理せずに平地でもインナーギアを使いましょう。

リアギアを操作するタイミング

リアギアは、調整しやすく、こまめに使うことでケイデンスを保ち、疲れにくい走りをすることができます。

信号などで停車する際は、重いトップ側のギアのままにせず、少しロー側にして走り出しを軽くできるようにしておきましょう。体力を使うロングライドの際などは結構重要なポイントかも知れません。

加速の際は、一定のケイデンスを意識しながら、1段ずつ変速していきましょう。

「ガッチャン!」に注意!

ギアチェンジは、「カチャッ」と小さな音が出るくらいが理想です。

上り坂に入ってからのギア操作は注意が必要です。ガッチャン!と大きく音が出るようなギアチェンジは、スプロケットやチェーンに強い負荷がかかっている状態です。

負担がかかる状態で乗り続けると、スプロケットやチェーンの磨耗が進み、変速不良の原因となります。

いろいろなサイト見ると、身体的負荷のことを書いている事が多いけど、自転車への負荷を書くとはさすがチャリオジ!自転車愛が深いな。

強く踏み込んでいるときのギアチェンジは避け、力を抜いてペダルを軽く回している時
におこなってください。

フロントとリアの組み合わせにも注意!

使用はできるけど使用しない方がいいギアの組み合わせもあります。代表的なものは、フロントがアウターで、リアが一番ロー側になっている状態です。
いわゆるアウターローですね。

なんかアウトローみたいでかっこいいすね。

かっこよくありません(#゚Д゚)ダマレ!!

いわゆるアウターローの状態。チェーンが斜めになる。

チェーンが斜めになっており、この状態で走るとチェーンに負荷がかかり、チェーンとディレイラーが当たってカラカラと音も出てしまいます。

同様に、フロントがインナーで、リアがトップに来るような組み合わせも良くありません。

自動車でも、1速でアクセルいっぱい踏んだり、逆に5速で低速で走ったりしたら、良くないもんね。

ギアチェンジはタイミングを意識すると、体力を温存してより快適に走れるようになるだけではなく、チェーンなどのパーツにも負担がかからなくなります。

ギアチェンジを効率よくおこなって、末永くロードバイクを楽しみましょう。

よしっ、じゃあ、いよいよロードバイクデビューだな!
今度の休みが楽しみだぜっ!

ちょっと待ってください!
路上に出るなら必要なものがあります。
そのまま路上に出るのは、Tシャツと短パンで富士山に登るようなものです。
色々と必要なものがありますので、最低限は揃えてからにしてください!

ということで、次回は、最低限必要な装備編 となります。

お楽しみに。

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