歴史に残る名器 Optimus(オプティマス) 8R 初期型 箱ストの御紹介 (60年代)

2022-03-16

いつもありがとうございます。
浜松市にある中古自転車・スポーツ・レジャーの専門店
ピックアップ宮竹バザール店です。

本日は常連のお客様にお持ちいただいたオプティマスの8R 箱型ストーブの初期モデル
についてご紹介させていただきます。

アウトドアのストーブ

オプティマスは1899年にスウェーデンで誕生した調理器具ブランドになります。
その中でも今回ご紹介させていただくオプティマスの8RはHIKER+や123Rといったモデルと並ぶ名品として中古でも人気の高いモデルになります。

前身となる8Fにはバーナーニップルを清掃するにはブリッカーと呼ばれる器具を用いて
清掃をおこなう必要がありました。

しかし、1963年にRadius(ラジウス)社を買収することで、
同社のパテントだったクリーンニードルをバーナー内部に内蔵するシステムであるビルトインニードルシステムを採用するに至り、より機能性を高め進化させたモデルが8Rとなります。

8Rは1990年代後半まで販売されていましたが、長い販売期間の間に何度か
仕様の変更が行われており、一般的に初期型・中期型・後期型と呼ばれるモデルが存在しております。

ストーブのヴィンテージ

お持ちいただいた8Rはその中でも初期モデルとなりますが、
オプティマスは製品のモデル変更時にその前後の仕様が混ざった物が出荷される
事があったようで、今回お持ちいただいた8Rも8Fの仕様が引き継がれ、
タンク部分がクロムメッキで加工されております。

中期以降のモデルになるとこのタンク部分はブラス(真鍮)仕様の物に切り替わります。
ブラスは素材の仕様上経年変化が発生していきますが、
クロムメッキは手入をしっかりと行っていれば美しさが変わることなく、
50年以上経過した物とは思えない輝きを維持しております。

ヴィンテージのオプティマス

ケース部分も特徴があり、初期型は筆記体でエンボス加工がされたケースとなっております。
これも8Fの仕様を受け継いだものとなっており、中期型になると筆記体がなくなり
8Rと MADE IN SWEEDENの文字が入っただけの仕様になっていきます。
塗装もしぼのあるややメタリックがかった淡い塗装となっています。

オプティマスのラジアス

こちらも初期モデル特有の仕様となるヘッドロックとよばれるバーナーを固定できる部品になります。
こちらは構造上取れてしまう事が多いようで、写真のような状態で残っている
事は極めてまれなケースとなるようです。バーナーを収納した際に固定されるため安定感が高くなっています。
中期型以降からは無くなってしまう為この有無は初期型の大きな特徴となっております。

ラジアス

ケース裏には工具が収納されています。携帯性を維持しつつ調整も出来る実用性の高さも魅力の一つです。
こちらは紛失してしまうケースが多いようで、2本ともそろっているのはかなり珍しいそうです。

22年03月16日:画像6

初期~中期型の仕様としてハンドル部分はベークライト製となっております。
後期~最終モデルのハンターになるとハンドル部分は金属製のものに変更されますが、
この年代の物でハンドルの刻印にカスレが見られない状態というのは希少で、
保存状態の良さが分かります。

22年03月16日:画像7

タンクのキャップ部分も錆びの発生がなく、フューエルキャップのパッキンも
綺麗な状態となっています。保管時も定期的にメンテナンスをしていないとこの状態は維持できません。

22年03月16日:画像8


オプティマスのお取り扱いは何度かさせていただいておりますが、今回ご紹介させていただいたような
コンディションの物は非常に珍しく、大変貴重な経験となりました。

こういった名品に触れ、お客様から商品に対しての知識や情報を頂けるのも非常にありがたい機会であると
考えております。

今後とも是非、よろしくお願いいたします。