船釣りデビューへの道。はじめての沖釣り入門②乗船してから 編

ハードル高めな船釣り、船に乗ってからの注意点を釣り歴約20年のスタッフがつらつらとまとめてみた

画像のタイは、タイはタイでもチダイという種類です。釣りに精通するとそんなこともドヤれるようになります。

前回からの続きです、

前回は船宿の選び方や船に乗るまでの準備についてお知らせしました。

今回はいよいよ船が出船するところから、実際に釣りをするときの注意点をまとめています。

結構大事!出港前の準備について

乗船してもすぐには動きませんので、出港前にできる準備をおこなってしまいます。

まずは釣り座の準備です。釣った魚を新鮮な状態で活かすために、桶などがミヨシ側に用意されていることが多いので、それも自分で持ってきて準備しておきましょう。しばらくすると足元から水が流れ始めますので、ホースの先を桶に入れるように設定しておきます。

桶に水が溜まったら、氷の入ったクーラーボックスに同量の海水を注いでおいて、クーラー内に海水氷をつくっておきます。釣った魚はここで急冷することになります。

ペットボトル氷は、保冷力がやや弱いので、真夏はあまり向かないです。ちなみにこちらは真鯛です。違いわかりますかね。

次に仕掛けの準備を極力済ませておきましょう。注意点としては竿先などが船の外側にはみ出さないように気を付けることです。それと、仕掛けや仕掛けの袋などが風で飛んでいかないように注意しましょう。特に針のついた仕掛けが、風で煽られると危険ですので、針は、仕掛けが絡まないように、自分で管理できる位置においてください。

いよいよ出港です。

港を出発すると、船はかなり速いスピードで動き始めます。

はじめて釣り船に乗った人は、スピードと揺れにビックリします。あと水しぶきも。

かなり揺れますので、この間はできるだけ立ち上がらず、安定した位置にとどまるようにしましょう。船が停まっても、船長の指示があるまで釣りを始めてはいけません。

船長からの「はい、どうぞ」というアナウンスがあったら、そのタイミングで釣りを開始します。

実釣開始!

具体的な釣り方として、アジ釣りを例に説明します。船長からの指示で、「底から5mくらい」といった深さが教えられます。「はい、どうぞ」のあとに説明されることが多いので、聞き逃さないようにしましょう。

これは、対象魚がいる深さを知らせるための指示です。

仕掛けを海底まで沈めてから、5m巻き上げた位置に魚がいることになります。リールには1mごとに印がついているので、それを参考に底から巻き上げていきます。

仕掛けの場所は重りよりも下にあることが多いため、約5mプラス仕掛けの長さ分、巻き上げると良いでしょう。

ピンクの部分がオモリの場所です。仕掛けの長さは、仕掛けの袋に書いてあります。

魚がかかったら、慌てずに一定のリズムで巻き取っていきましょう。

魚が強く引いている場合は、無理に巻かずに竿の曲がりを利用して徐々に寄せていきます。

糸を巻き上げて仕掛けの上端が海面まで到達したら、それ以上は巻かずに竿を上げて、一旦重りを回収します。重りがブラブラとぶら下がった状態だと危険なので注意しましょう。

この作業を取り込みといいますが、魚が逃げる一番のポイントでもあります。上のイラストのように仕掛けがたるむと魚に逃げられやすくなります。糸が切れない程度に張っておくのがポイントです。
オモリ部分は、転がったり、ブラブラしたりしないように固定する。コマセを入れる入れ物があるので、そちらに入れておきましょう。

重りを回収したら、仕掛けを持ち上げて魚を引き上げます。

釣れた魚は、毒の棘があるものや噛まれると怪我をするようなものがいますので、知らない魚はむやみに触らないようにしましょう。

アイゴという沿岸域ではお馴染みの毒魚です。いかにも鋭利なヒレの棘に刺毒があります。

釣った魚は、活かすために一時的に桶に入れた海水の中に入れておきます。

ただし、魚の種類によってはすぐにクーラーボックスに入れた方が良い場合もありますので、注意が必要です。

サバやカツオなど血の気の多い魚は、放置したものを食すと、ヒスタミンによる食中毒の危険性があるため、締めたら即座にキンキンに冷えたクーラーへ。

こんな時は?

●トイレはどうするの?

トイレに関しては、船の大きさによって異なりますが、一般的にはミヨシ側の操舵室の前に男性用の小用トイレが設置されています。

女性の場合は、トモ側からキャビンに入る辺りに個室のトイレが設置されていることが多いです。女性にとっては少し抵抗を感じるかもしれませんが、環境によっては対処方法を考える必要があります。

●船酔いしてしまったら?

もし船酔いしてしまったとしても、船を引き返してもらうことはできません。

船酔いがひどくならないように、遠くを見るなどの対処方法を試してみましょう。

酔いがひどくなった場合は、キャビンで横になると楽になることがあります。

●他の人と仕掛けが絡んだら?

他の乗船客と仕掛けが絡むことを「おまつり」といいます。おまつりが起きたときは、おまつりしたことをまず船長に伝えましょう。

船長が直しに来てくれることもありますが、自分たちで対処しないといけない場合もあります。

おまつりしたら、どちらかが糸を緩めて、緩めていない側の人が、絡んだ仕掛けの部分を船に引き上げて、絡んでいる箇所を解きます。

釣りのあとのお楽しみは

釣りの醍醐味の一つは釣った後のお楽しみです。釣った魚を使った新鮮な海鮮料理は格別です。

特に、新鮮な魚は刺し身がおすすめです。ただし、釣行当日の刺し身は身が硬くて、旨味が薄い傾向があります。そのため、内臓や鱗などの下処理をしてから数日間寝かせると旨味が増します。

アジを釣った場合は、シンプルな塩焼きで楽しむことをおすすめします。釣った当日にしか味わえないジューシーな食感を楽しめます。

複数の魚を釣った場合は、干物に挑戦するのも良いでしょう。干物は一見難しく感じるかもしれませんが、包丁で開いて塩水に20分ほど浸けたら、水気を切ってラップを掛けずに冷蔵庫で一晩寝かせるだけですぐに作れます。


いかがでしたでしょうか。

前回と二編に分けてお送りしました。

私もまとめてみて、改めてなかなかにハードルが高いなと感じました。今回記載はしていませんが、おまつりをしにくくするための、仕掛けの入れ方や巻き上げ方など、細かいことを言えばきりがないくらいです。

なので、理想的なのは、やはり夏休み中などにある初心者向けの釣り物で始めることがのぞましいですね。

ハードルは高いのですが、その分、日常からは得難い体験があり、釣果というこちらも日常では得難い成果を得ることができます。最初は大変かもしれませんが、乗り越えてしまえば、長く付き合える趣味になると思いますよ。

それでは皆さん、良い釣行を!

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