子沢山自転車整備士が語る!ブリヂストン「アルベルト」が学生に愛され続ける理由と中古選びの秘訣


記事を書いた人

自転車技士、自転車安全整備士、BAAアドバイザー

自転車歴20年 物心ついたころからリサイクルショップを愛用し、休みの日もリサイクルショップを巡る筋金入りのリサイクルショップマニア 上は大学生、高校生から0歳児までの大家族パパ


リサイクルショップで働いていると、春先、新入学シーズンになると特によく耳にする名前があります。それがブリヂストンの「アルベルト」です 。通学用自転車の定番として、長年にわたり多くの学生さんや親御さんから絶大な支持を集めています。「通学自転車の王様」なんて呼ばれることもありますね 。

確かに、アルベルトは他の一般的な自転車と比べると価格が高めです 。新品だとモデルによっては10万円を超えることもあり、「通学用にそこまで高い自転車が必要なの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません 。

実際、我が家も最初はアルベルトに懐疑的でアルベルト以外を購入したものの、途中で高校生の現役子供たちにはアルベルトを買い与えて、大変好評だったことから 流れで電動のアルベルトeを保育園の通園用に購入してしまいました。

毎日使う通学用自転車だからこそ、アルベルトが選ばれるのには確かな理由があります。この自転車には、長年培われてきたブリヂストンの技術と、学生生活を快適かつ安全に送るための工夫が詰まっているのです。

この記事では、普段から多くのアルベルトに触れている自転車整備士兼親の視点から、なぜアルベルトがこれほどまでに支持されるのか、その魅力や実際に使っている方々の声、そして賢い中古アルベルト(通常モデルと電動アシストモデル「アルベルトe」)の選び方まで、詳しく解説していきます。これからアルベルトの購入を考えている方の参考になれば幸いです。

「通学自転車の王様」アルベルトが選ばれる理由

アルベルトの人気の秘密は、単に有名ブランドだからというだけではありません。日々の過酷な通学環境に耐えうる「丈夫さ」と、忙しい学生生活を支える「使いやすさ」を高いレベルで両立している点にあります。

長く使える安心感 – 自転車は「価格」だけでなく「価値」で選ぶ時代

TOUGH(タフ)フレーム 10万回のJIS耐久疲労テストをクリアした安全設計。

アルベルトを選ぶ多くの方が重視するのが、その「耐久性」です。毎日使うものだからこそ、簡単には壊れない、長く安心して使えることが求められます。

  • 軽くて丈夫なアルミフレーム: アルベルトのフレームには、軽さと強度を両立したアルミ素材が使われています 。特に「タフフレーム」と呼ばれる設計は、重い教科書が入ったカバンを載せてもフレームがねじれにくく、安定した走りを実現します 。もし同じ太さのフレームを一般的な鉄で作ると、かなり重くなってしまい、漕ぎ心地も重くなります 。また、アルミは鉄に比べて錆びに強いので、万が一塗装が剥がれても見た目が悪くなりにくく、中学校・高校の6年間使う場合でも綺麗な状態を保ちやすいというメリットがあります 。一部モデルでは6年間のフレーム保証が付いていることからも、ブリヂストンの品質への自信がうかがえます 。
通常のスポークより太く、錆に強いステンレス強化スポーク
  • 足回りの頑丈さ: 自転車のトラブルで多いのが、ホイールの歪みやスポーク折れ、そしてパンクです。アルベルトは、こうしたトラブルを未然に防ぐ工夫が凝らされています。ホイールには錆びにくいステンレス製のリムや、通常より太い「ステンレス強化スポーク」を採用した「頑丈ホイール」が使われており、耐久性を高めています 。タイヤも、「スーパーマイティロード」や「ロングレッドXT」といった耐パンク性能の高いものが標準装備されています 。タイヤ内部にパンクを防ぐプロテクターを入れたり、チューブの摩耗を防ぐ構造を採用したりすることで、パンクのリスクを大幅に低減。これは毎日の通学では非常に心強いポイントです。一部モデルには、空気圧の低下を知らせる「空気ミハル君」という便利な機能も付いています 。
厳しい安全基準を満たした自転車にだけ許されるBAAマーク
  • 信頼の品質基準: ブリヂストンは、一般社団法人自転車協会が定める安全・環境基準「BAAマーク」に適合しているだけでなく、さらに厳しい独自の安全基準を設けています 。これが、ブレーキのしっかりとした効き具合や、ライトの明るさ、車体全体の剛性感といった、乗ればわかる品質の高さにつながっています 。

これらの特徴を見ると、アルベルトの設計思想が、単に初期の購入価格を抑えることではなく、長期間にわたる「総所有コスト」を低く抑えることにあることがわかります。学生は毎日、年間で1,000km、3年間で3,000kmもの距離を走ることも珍しくありません 。実際うちの子供たちも片道20km近い距離を毎日通学で走っています。

雨の日も風の日も使われ、時には重い荷物を載せることもあります。安価な自転車では、こうした使い方では修理が頻繁に必要になり、結果的に修理代がかさんだり、自転車が使えない期間が発生したりすることがあります。アルベルトは、高品質で耐久性のある部品を採用することで、こうしたトラブルを減らし、結果的に「高くても、一番安かった」と多くのユーザーに言わしめる価値を提供しているのです 。

アルベルトの代名詞「ベルトドライブ」 – 静かで滑らか、そして手間いらず

ベルトドライブ

アルベルトの最大の特徴であり、名前の由来(アルミフレーム+ベルトドライブ)にもなっているのが、「カーボンベルトドライブ」です 。従来の金属チェーンの代わりに、カーボン繊維で強化された特殊なゴム製のベルトで後輪を駆動します 。

  • ベルトドライブの主なメリット:
    • 錆びない: 雨に濡れても錆びる心配がありません 。
    • 注油不要: 面倒な注油作業が一切不要です。チェーンのように油で制服やズボンの裾を汚す心配もありません 。
    • 伸びにくく、外れにくい: チェーンのように伸びることがほとんどなく、走行中にチェーンが外れるといったトラブルが格段に少ないです 。
    • 静かで滑らかな乗り心地: チェーン駆動特有の金属音がなく、非常に静かで滑らかな走行感が得られます 。一部モデルには、漕ぎ出しがさらに滑らかになる「フローティングベルトドライブ」が採用されています 。
  • 知っておきたい注意点:
    • 価格: ベルトドライブシステムは、チェーン駆動に比べてコストが高く、アルベルトの価格を引き上げる一因となっています 。
    • 修理: ベルトは非常に丈夫ですが、万が一(非常に稀ですが)切れた場合、交換用のベルトはチェーンより高価で、在庫がない店舗もあるため、修理に時間がかかる可能性があります 。また、ベルトは適切な張り具合(テンション)で調整する必要があり、これが狂うと異音や歯飛び(ベルトの歯とプーリーの歯が噛み合わない現象)の原因になります 。
    • ギアの選択肢: ベルトドライブは構造上、基本的に内装変速機との組み合わせになります 。外装変速機のような幅広いギア比の選択はできません(ただし、アルベルトは元々内装変速機を採用しています)。

ベルトドライブは、日々のメンテナンスの手間を大幅に減らしてくれる、アルベルトを象徴する便利な機能です。多くのユーザーがこの点を高く評価しています 3。しかし、その特殊性ゆえに、万が一の修理の際にはチェーン駆動の自転車よりも手間や費用がかかる可能性があることは、特に中古で購入する際には念頭に置いておく必要があります。普段は非常に手間いらずですが、一度トラブルが起きると専門的な対応が必要になるかもしれない、という側面も持ち合わせています。

学生生活を支える安全・便利機能

アルベルトには、毎日の通学を安全かつ快適にするための機能が満載です。

LEDオートライト
  • ライト: 暗くなると自動で点灯するLEDオートライト「点灯虫(てんとうむし)」が標準装備されています 。つけ忘れの心配がなく、夜間の視認性を高めます。上位モデルでは、より広範囲を明るく照らす「ワイドスーパーパワー点灯虫」が搭載されることもあります 。後輪には、太陽光で充電し、暗くなると自動で点滅する「ソーラーテール」が付いており、信号待ちなどで停止しても約1分間点滅を続けるため、後方からの視認性も抜群です 。
原稿のハンドルロック
  • ロック(鍵): 後輪には頑丈なサークル錠(リング錠)が付いています 。多くのモデルで特徴的だったのが「一発二錠」というシステムです。これは後輪錠をかけると同時にハンドルもロックされる便利な機能でした 。しかし、この「一発二錠」は過去にリコール(無償点検・改修)の対象となった経緯があり 、2021年モデル頃から、駐輪時にハンドルのふらつきを抑える「くるピタ」というハンドルストッパー機能と、後輪錠と同じキーで施錠できるワイヤー錠を組み合わせた「2ロック」システムに変更されています 。この変更により、駐輪時の安定性は確保しつつ、盗難防止のためにはワイヤー錠を追加でかける手間が必要になりました。なお、ブリヂストンでは3年間の盗難補償制度も用意されています 。このロックシステムの違いは、年式を見分けるポイントであり、中古車選びの重要なチェック項目となります。特に古い「一発二錠」搭載モデルの場合は、リコール対応済みかどうか(ハンドルロック部分のラベルの色で確認可能 )を確認することが不可欠です。
フォーク及びブレーキ
  • ブレーキ: 雨の日でも比較的安定した制動力を発揮する後輪ローラーブレーキや 、軽い力でしっかり効く前輪スマートコントロールブレーキなどが採用されています 。電動アシストモデルのアルベルトeには、さらにモーターによるブレーキアシスト機能も搭載されています 。
大容量のステンレスワイヤーバスケット
  • その他の装備: 学生カバンがすっぽり入る大きめのフロントバスケット 、長時間乗っても疲れにくいクッション性の高いサドル(上位のロイヤルモデルではさらに快適な「スーパーコンフォートサドル」を採用 )、停止中でも変速操作が可能な内装5段変速(モデルや年式、サイズによっては3段変速の場合あり )など、通学に便利な機能が充実しています。内装変速は、外装変速に比べて故障が少なく、メンテナンスの手間がかからないのもメリットです 。

S型? L型? 自分に合ったフレームを選ぶ

アルベルトには、主に2つのフレーム形状があります。

S型のアルベルト 男子学生が好むケースが多いようです。
  • S型: トップチューブ(フレーム上部のパイプ)が直線的なデザイン。スポーティな印象で、ハンドル位置がやや遠めになり、前傾姿勢気味のポジションになります 。一般的に男子生徒に選ばれることが多いですが、好みによります 。
L型アルベルト S型に比べてハンドル位置が手前な為女性に人気があります。
  • L型: トップチューブが曲線を描き、低くなっているデザイン。スカートを履いていても足を高く上げずに乗り降りしやすいのが特徴です 。ハンドル位置が手前に近く、よりリラックスした上体の起きた姿勢で乗ることができます 。一般的に女子生徒に人気があります 。

どちらのタイプも、通常26インチと27インチのサイズ展開があります 。乗り心地の好みや体格、服装に合わせて選ぶことができます。わずかにギア比が異なる場合もありますが 、主な違いはフレーム形状と乗車姿勢です。

子供たちの声:実際にアルベルトに乗ってみてどうなの?

実際にアルベルトを使用している子供たちに率直な感想をきいてみました。

故障頻度が極端に低く乗りやすい。坂道は大変だけど通学はだいぶ楽

やはりその「丈夫さ」と「信頼性」に対する高い評価が高く、子供曰く坂道以外は走りもとても快適とのことでした。実際、上の子供が3年間 下の子も1年間乗っていますが、上の子のアルベルトのタイヤを1回変えたくらいで、修理という修理が有りませんでした。パンクも覚えている限り、2回あったか無かったくらいです。
初期投資は大きいものの、毎日の通学で酷使しても故障が少なく、メンテナンスの手間もかからないため、結果的に満足度がとても高かったです。お客様の中には、消耗品を交換しながら3年、6年、あるいは10年以上も乗り続けているというユーザーもいるようで、品質の高さがうかがえます。

一方で、気になる点や不満も・・・

もちろん、良い点ばかりではなく、不満な点もあります。

  • 価格: やはり一番のネックは価格です 。上の子は中古、下の子は新車、電動は中古で購入しましたが、新車は購入時にその価格ゆえに躊躇した記憶があります。
  • 重量: アルミフレームで軽量化されているとはいえ 、頑丈な作りのため、それなりの重量感はあります。特に電動アシストモデルのアルベルトeはかなり重く(約26-27kg )、駐輪時などの取り回しが大変だと感じる事があるようです。
  • アルベルトe特有の点: 電動アシストモデル特有の点として、自動充電機能による惰性走行時の抵抗感(他の電動自転車ほどスムーズに空走しない)、他社モデルと比較してアシストパワーがややマイルドに感じる、ベルトやギア周りの異音(特定の条件下で)、バッテリーの劣化への懸念 などがあります。特に中古はバッテリーの劣化状況を記載しない店舗も多いため、購入にあたっては
    バッテリーのチェックを行うなどユーザー側に知識が求められるケースもあるようです。

中古アルベルト(通常モデル)の賢い選び方:整備士視点のチェックポイント

新品価格が高いアルベルトだからこそ、状態の良い中古車は魅力的な選択肢です 。実際我が家も3台のアルベルトのうち2台は中古で購入しています。
中古相場は年式や状態によって大きく異なりますが、おおよそ2万円台から5万円前後で見つけることができます 。電動でも7万~12万円程度で購入が可能です。ただし、中古自転車は状態が様々なので、購入前にしっかりチェックすることが大切です。

まずは基本のチェックから(アルベルト以外にも共通)

  • フレーム・フォーク: 目視でへこみ、亀裂、大きな傷、錆び(アルミは錆びにくいですが、フォークやボルトなど鉄部品は注意)がないか確認します 。自転車全体がまっすぐに見えるか、事故の痕跡がないかもチェック 。ハンドル下のヘッドパーツにガタがないか、ブレーキをかけた状態で自転車を前後に揺すって確認します 。
スポークのニップルが破断しているホイール
  • ホイール: ホイールを回転させ、横ブレ(左右の歪み)や縦ブレ(上下の歪み)がないか確認します。リムにへこみや傷、特にブレーキが当たる面に損傷がないか見ます 。スポークの張りが均一か、折れたり緩んだりしているスポークがないか確認します 。
タイヤ部分の亀裂 この状態で走行するとバーストの危険性が有ります。
  • タイヤ: タイヤの溝が十分残っているか、側面(サイドウォール)にひび割れがないか確認します。溝があっても古いタイヤはゴムが硬化していることがあるので、交換が必要になる可能性も考慮します。
ブレーキパッドの摩耗確認 溝が殆ど無かったり 劣化 片べりしていないかの☑
  • ブレーキ: ブレーキレバーを握り、しっかりとした手応えがあるか、スポンジのようにフニャフニャしていないか確認します。ブレーキパッドの摩耗具合もチェック。ブレーキワイヤーに錆びやほつれがないかも見ます 。試乗して制動力を確かめます。
クランク及びペダル
  • その他: サドルに破れはないか、ペダルがスムーズに回転するか(異音や引っ掛かりがないか)、グリップの状態、カゴの損傷などを確認します。

アルベルトならではのチェックポイント

ベルトドライブ

  • ベルトドライブ:
    • ベルトの状態: ベルトにひび割れ、ほつれ、歯の欠け、異常な摩耗がないか、よく観察します(長年使用していると表面に白い繊維が見えてくることがありますが、これは異常ではありません )。
    • プーリーの状態: 前後のプーリー(ベルトがかかる歯車)の歯が欠けたり摩耗したりしていないか確認します。泥などが付着していないかもチェック 。
    • 張り具合と異音: ベルトが適度に張っているか(緩すぎず、張りすぎず)確認します。張りが不適切だと、異音や歯飛びの原因になります 。試乗時にペダルを漕いで、異音(ゴリゴリ、カチカチなど)がしないか耳を澄ませます。
    • フローティングベルトドライブの場合: 内部ギアを覆うプラスチック製のケースにひび割れや損傷がないか確認します。この部分は経年劣化することがあります 。
リコール対象外の一発二錠
  • 内装変速機: 試乗中二のギアにスムーズに変速できるか確認します 。特定のギアに入りにくい場合は、ワイヤー調整の問題か、内部の不具合の可能性があります 。ハブから異音がしないかも確認します。
くるピタ機構
  • ロックシステム:
    • タイプの確認: 古い「一発二錠」か、新しい「くるピタ+ワイヤー錠」かを確認します 。
    • 「一発二錠」の場合: ハンドルロック機構の表示窓のラベル色を確認します。「黒色」ならリコール対象の可能性あり、「白色」なら対策済みまたは対象外です 。黒色ラベルの場合、リコール対応済みか販売者に確認しましょう。後輪錠をかけるとハンドルがスムーズにロックされ、解除すると両方ともスムーズに解除されるか、鍵の操作感と共に確認します 。
    • 「くるピタ」の場合: ハンドル下のダイヤルを回して、駐輪時にハンドルがしっかり半固定されるか確認します。後輪錠と同じキーで使えるワイヤー錠が付属しているかも確認します 1。後輪錠自体の動作も確認します。
  • ライト: オートライト(点灯虫)が機能するか、センサー部分を手で覆うなどして確認します。ソーラーテールランプも点灯・点滅するか確認します(日中にある程度充電されている必要があります )。
  • モデルと年式: 可能であれば、販売者に年式やモデル(標準かロイヤルか)を確認します。ロイヤルモデルはサドルやペダル、ライトなどがアップグレードされていることがあります 。これらは価格にも影響します。

試乗は必須!

カタログスペックや見た目だけではわからないことが多いのが自転車です。必ず試乗して、異音がないか、ブレーキや変速がしっかり機能するか、そして何より自分の体に合っているか、乗り心地はどうかを確認しましょう 。

どこで買うかも重要

信頼できる自転車店で購入する場合、ある程度の点検や整備がされていることが期待でき、場合によっては保証が付くこともあります 。中古自転車は一般的なリサイクルショップだと全く整備やチェックがなされているケースも多々見られます。ピックアップであれば自転車に精通しているスタッフが在籍しており、メンテナンス済みの商品を販売していますので、安心してご購入いただけます。

表1: 中古アルベルト(通常モデル)チェックリスト

チェック項目主な確認ポイント状態 (OK/注意)
フレーム・フォークへこみ、亀裂、歪み、大きな傷、錆び、ヘッドパーツのガタつき
ホイール・タイヤホイールの振れ、リムの損傷、スポークの状態、タイヤの溝・ひび割れ
ブレーキレバーの感触、パッドの摩耗、ワイヤーの状態、制動力(試乗)
ベルトドライブベルトの傷・摩耗・歯欠け、プーリーの摩耗・汚れ、適切な張り具合、異音(試乗)
内装変速機全てのギアへのスムーズな変速(試乗)、異音(試乗)
ロックシステムタイプ確認(一発二錠/くるピタ)、正常な施錠・解錠動作、鍵の有無、(一発二錠の場合)リコール対応状況(ラベル色)、ワイヤー錠の有無(くるピタの場合)
ライト点灯虫(オートライト)の動作確認、ソーラーテールの点灯・点滅確認
その他部品サドルの破れ、ペダルの回転、グリップの状態、カゴの損傷など
試乗乗り心地、異音、操作性、サイズ感

電動アシストモデル「アルベルトe」登場!

チャイルドシート付アルベルトe

「坂道が多い」「通学距離が長い」「荷物が重い」…そんな学生さんの悩みに応えるのが、アルベルトの電動アシストモデル「アルベルトe」です 。アルベルトが持つ耐久性やベルトドライブといった基本性能はそのままに、パワフルな電動アシスト機能を追加したモデルです 。

我が家では子供乗せを付けて利用しています。

ブリヂストンの独自技術「デュアルドライブ」

デュエルドライブ

アルベルトeの心臓部ともいえるのが、ブリヂストン独自の「デュアルドライブ」システムです。これは、前輪をモーターの力で、後輪を人がペダルを漕ぐ力で駆動する、いわば「両輪駆動」の仕組みです 11

  • メリット: まるで前から引っ張ってもらっているような、力強く安定したアシスト感が特徴です 。特に漕ぎ出しや坂道、重い荷物を載せている時にその効果を発揮します。自動車の四輪駆動のように、滑りやすい路面でも安定した走行が期待できます 。坂道でのふらつきが少ないという声もあります 45

走りながら自動充電!「回復充電」機能

デュアルドライブのもう一つの大きな特徴が、「走りながら自動充電」できる回復充電機能です。

  • 仕組み: 走行中にペダルを漕ぐのを止めたり(空走状態)、左ブレーキをかけたりすると、前輪のモーターが発電機として働き、バッテリーを自動で充電します 。下り坂だけでなく、平地でも条件が合えば充電されます(平地自動回復充電機能 )。
  • メリット: この機能により、1回の充電で走れる距離が大幅に延びます。ブリヂストンの説明では「4日走ると最大1日分充電」とも言われています 。実際にユーザーからも、充電頻度が少なくて済む、航続距離が長いといった声が多く聞かれます 。充電の手間が省けるだけでなく、バッテリーの寿命を延ばす効果も期待できます 。

その他の電動アシスト機能

アルベルトeのコントローラー
  • モーターブレーキ: 左ブレーキを軽く握ると、前輪のモーターがブレーキとしても機能し、制動力をアシストします。特に長い下り坂でスピードを抑えたい時に有効です 。
  • スマートコントロールパネル: バッテリー残量や選択中のアシストモード、速度などが表示される、シンプルでわかりやすい操作パネルが搭載されています 。
  • バッテリー: ブリヂストン製のBシリーズバッテリー(例: B400)が搭載されています。容量は9.9Ah/361Wh(回復充電分を含めて14.3Ah相当と表記されることが多い)で、充電時間は約4時間10分程度です 。
  • アシストモード: 通常、「パワー」「オート」「エコ」の3段階のアシストモードと、アシストを切る「アシストオフ」モードが選択できます 。

アルベルトeは本当に「買い」か? メリットと注意点

アルベルトeは非常に高機能ですが、その分価格も高くものによっては18万近くしてしまいます。
購入を検討する際は、メリットと注意点の両方を理解しておくことが重要です。

アルベルトeが特に役立つのはこんな人

  • 通学路に急な坂道や長い坂道がある
  • 通学距離が比較的長い(片道5km以上など)
  • 部活動の荷物などで、日常的に重い荷物を運ぶことが多い
  • 体力的な負担を減らして、楽に通学したい

上記のような状況では、電動アシストの恩恵を大きく感じられるでしょう 。

アルベルトe のメリット

  • 良い点:  坂道が本当に楽で、漕ぎ出しがスムーズで快適です。その他、自動充電のおかげで思ったより長く走れ、両輪駆動で安定感があります。ベルトドライブで静かなのもポイントが高いです。ホイールサイズが大きく、そもそも子供乗せを想定した自転車でない事と、
    値段の高さ故か、あまり子供乗せを付けて運用している人を見かけませんが、使用している
    家内からは好評でした。
  • 気になる点・注意点:
    • 重さ: やはりその重さ(約26~27kg)が最大のネックです 。駐輪場の出し入れや、万が一倒れた時の引き起こしが大変だと感じる事があります。前輪にモーターがあるため、前方が重いバランスになりがちです 。
    • 価格: 通常のアルベルトよりもさらに高価になります 。我が家は中古でしたが、それでも
      9万円くらいしたと記憶しています。
    • 回復充電の抵抗感: 自動充電機能は便利ですが、ペダルを止めて惰性で走る際に、発電のための抵抗(モーターブレーキのような感覚)を感じます。これにより、他の電動アシスト自転車ほどスムーズに空走しないと感じる人もいるようです。この抵抗感が気になる、スピードが落ちる感じがするという声もありました。
    • アシスト感: 他社(ヤマハやパナソニックなど)の電動アシスト自転車と比較して、アシストの出方がマイルド(急な突き上げ感がない)と感じる人もいるようです 。これは好みによりますが、よりパワフルなアシスト感を求める人には物足りなく感じる可能性もあります。
    • 複雑さ: 電動アシストシステムは、モーター、バッテリー、コントローラー、配線など、通常の自転車よりも部品点数が多く、構造が複雑です。長年使用する上では、故障のリスクも考慮する必要があります。
    • ブレーキ: 後輪ブレーキの効きがやや甘く感じるという声もあります。これは、前輪のモーターブレーキに頼る設計になっているためかもしれません 。

アルベルトeのデュアルドライブと自動充電システムは、航続距離や安定性といった面で大きなメリットをもたらす一方で、重量増や独特の走行感(抵抗感、アシストフィール)といったトレードオフも存在します。これは単に「アルベルトにモーターが付いた」というだけでなく、乗り味そのものが異なる自転車と言えます。したがって、購入前には必ず試乗し、その特性が自分の使い方や好みに合っているかを確認することが、通常のアルベルト以上に重要になります。

表2: アルベルト(通常モデル) vs アルベルトe 比較

特徴アルベルト(通常モデル)アルベルトe
駆動方式ベルトドライブ(後輪駆動)デュアルドライブ(前輪モーター+後輪ベルト駆動)
重量約19~20kg 29約26~27kg 38
価格帯(新品)高い(約9~10万円台 29非常に高い(約16~18万円台 12
メンテナンス少ない(ベルトドライブ)ベルト部分は少ないが、電動部品は要チェック
得意な用途一般的な通学、平坦~緩やかな坂道坂道が多い、長距離、重い荷物
主なメリット耐久性、低メンテナンス、信頼性楽な走行、長い航続距離(自動充電)、安定性
主な注意点初期費用重量、初期費用、回復充電時の抵抗感

中古アルベルトe 購入ガイド:電動部品のチェックは入念に!

電動アシスト自転車の中古購入は、バッテリーやモーターといった高価な部品の状態が鍵を握ります。アルベルトeの中古を探す際は、通常のアルベルトのチェック項目に加えて、以下の電動関連のポイントを特に入念に確認しましょう。

通常モデルのチェック項目も忘れずに

まず、フレーム、ホイール、ブレーキ、ベルトドライブ、ロックシステムなど、前述した通常モデルのチェック項目は全てアルベルトeにも当てはまります。これらをしっかり確認した上で、電動部分のチェックに進みましょう。

最重要!バッテリーの状態を確認する方法

中古電動アシスト自転車の価値を左右する最大の要因は、バッテリーの状態です。バッテリーは消耗品であり、新品に交換すると4万円以上かかることもあります 。バッテリーの劣化具合を把握することが、中古アルベルトe選びで最も重要です。

  • バッテリー自己診断機能を使う: ブリヂストン(およびヤマハ)のバッテリーには、多くの場合、バッテリー本体のボタン操作で簡易的な状態診断ができる機能が搭載されています 。
    • やり方: バッテリー残量表示ボタンを長押しします(モデルにより10秒~30秒程度)。最初に現在の残量が表示され、消灯後、再度ランプが点灯・点滅します。このパターンで「実力容量」や「充電回数」の目安がわかります。
    • 実力容量(元気度)の見方: ランプの点灯数(例: 4つ点灯なら75~100%、1つ点灯なら0~25%など)で、新品時と比較してどの程度の容量が残っているかの目安がわかります 75。当然、点灯数が多いほど状態が良いと言えます。
    • 充電回数の見方: 点滅・点灯の組み合わせで、総充電回数の目安がわかるモデルもあります 75。バッテリーの一般的な寿命は充電700~900回とされているため 、この回数が少ないほど良い状態と考えられます。
  • 外観チェック: バッテリーケースにひび割れや膨らみ、液漏れの跡などがないか確認します 81
  • 製造年月日: バッテリー本体に記載されている製造年月日を確認できれば、おおよその古さがわかります 81。一般的に古いバッテリーほど劣化が進んでいます。
  • 販売者に確認: バッテリーの使用状況や、満充電でどのくらい走れていたかなどを尋ねてみましょう。
  • 試乗での確認: 試乗中にバッテリー残量の減り方が異常に早くないか、実際に走行して確認します 81

この自己診断機能は非常に便利ですが、あくまでも目安です。診断結果が良好でも、実際の走行距離が短い場合もあるため 、必ず試乗して実際のパフォーマンスを確認することが重要です。診断結果は重要な判断材料ですが、それだけで決めずに、総合的に判断しましょう。

モーターと電装系のチェック

  • スイッチ・操作パネル: 電源のオン・オフ、アシストモードの切り替え(エコ、オート、パワー、オフ)がスムーズに行えるか、ボタンの反応は良いか確認します 65。ライトのオン・オフもスイッチで操作できるか確認します 。
  • アシスト動作: 試乗中に、各アシストモードでアシストがしっかり効いているか、途中でアシストが抜けたりしないかを確認します。前輪のモーターから異音(ウィーンという作動音以外の、ゴリゴリ、キーキーといった音)がしないか耳を澄ませます 。
  • エラー表示: スイッチパネルにエラーコードが表示されていないか確認します 。
  • 配線: モーター周り、バッテリー接続部、ハンドル周りなどの配線に、断線や損傷、コネクタの緩みなどがないか、目視で確認します。

水濡れ・水没の痕跡はないか?

電動アシスト自転車は雨天走行を想定して設計されていますが 、水没や高圧洗浄、長時間の雨ざらし(特に倒れた状態)は、電気系統の故障の原因となります 。

  • チェックポイント: バッテリーの接続端子や、モーター、コントローラー周りのコネクタ部分に、緑青(緑色の錆び)や白い粉のような腐食がないか確認します 。スイッチパネル内部に曇りがないか見ます。可能であれば、販売者に保管状況(屋内か屋外か)を尋ねてみましょう 。不自然に綺麗すぎる場合、腐食を隠すために洗浄された可能性も考えられます。スイッチの動作不良は水濡れによる故障の初期症状でもあるため 、念入りに確認します。

価格について

中古アルベルトeの価格は、やはりバッテリーの状態が最も大きく影響します 。その他、年式、走行距離、車体全体のコンディションによって価格は変動します。相場としては、状態の良いものでも10万円を切る価格から見つけることが可能ですが 、バッテリーの状態次第ではさらに安価なものもあります。ただし、安すぎるものには注意が必要です。

表3: 中古アルベルトe 追加チェックリスト

チェック項目主な確認ポイント・方法状態 (OK/注意)
バッテリー診断実力容量(ランプ点灯数)、充電回数(点滅・点灯パターン) ※ボタン長押しで確認
バッテリー外観・端子ケースの割れ・膨らみ、接続端子の腐食
モーター動作異音(試乗)、アシストの効き具合(全モード/試乗)、アシスト切れ
スイッチ・表示パネル全ボタンの反応、表示の正常さ、エラーコードの有無
配線目視できる範囲での断線、損傷、コネクタの緩み・腐食
水濡れ痕跡各部の腐食、スイッチパネル内の曇り、販売者への保管状況確認
試乗(電動関連)バッテリーの減り具合、回復充電時の抵抗感・異音、モーターブレーキの効き具合

まとめ:あなたに最適なアルベルトを選ぼう

ブリヂストン アルベルトは、その耐久性、メンテナンス性の低さ、安全性といった特徴から、長年にわたり学生用自転車として高い評価を得てきました。特にベルトドライブは、日々の手間を大きく減らしてくれる画期的なシステムです。

一方、電動アシストモデルのアルベルトeは、坂道や長距離の通学を劇的に楽にしてくれる頼もしい存在です。独自のデュアルドライブと自動充電機能は、他にはない走行体験を提供します。

どちらのモデルを選ぶかは、あなたの通学環境や予算、そして何を重視するかによって決まります。

中古での購入は、賢くアルベルトを手に入れる良い方法ですが、特にアルベルトeの場合はバッテリーの状態確認が不可欠です。購入前には必ず試乗し、この記事で紹介したチェックポイントを参考に、納得のいく一台を見つけてください。可能であれば、信頼できる販売店からの購入も検討しましょう。

自転車選びは、これからの学生生活を共にする大切なパートナー選びです。この記事が、あなたにとって最適なアルベルト選びの一助となれば幸いです。安全運転で、快適な自転車ライフをお送りください!

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