背景

アニメ・ゲーム・アイドルなどの作品に登場するキャラクターを手元に置きたい――
そんな“推し活”の欲求を満たす代表的なアイテムがフィギュアです。
近年はSNSを通じてコレクションを共有する文化が広がり、若者を中心にフィギュア市場が拡大しています。一方で、同じフィギュアでもスケールフィギュアとプライズフィギュアでは性質や価格帯が大きく異なり、中古買取での評価も変わります。
本記事ではリサイクルショップの視点から両者の違いを詳細に解説し、買取を検討する方が知っておくべきポイントをまとめます。
スケールフィギュアの特徴

スケールフィギュアは、キャラクターを実際の身長や体格から一定の縮尺で立体化した商品です。1/7スケールの場合、身長154cmのキャラクターなら全高約22cm、1/8スケールなら約19.3cmとなります。この縮尺が大きくなるほど造形や塗装の細部にこだわる必要があり、開発期間も長くなります。多層塗装でグラデーションや質感を表現し、原型師と塗装スタッフが何度も調整を繰り返すため、製造コストが高くなります。
主なメーカーにはアルター、グッドスマイルカンパニー、コトブキヤなどがあり、定価は数千円から数万円まで幅広いです。大型サイズや限定版は10万円を超えることもあり、1/1スケールの等身大フィギュアはFRPやアクリルなど高価な素材を使用するため数百万円に達する場合もあります。
こうした高価格帯でも、希少性や出来の良さから中古市場でも高い価値が維持され、買取相場は3,000円〜5万円が目安で、人気作品や限定生産品では10万円以上の価格が付くことがあります。ただし、これらの価格帯は執筆時点の一般的な目安であり、作品の人気度や市場の需要によって大きく変動します。最新の相場は店舗やオンラインショップで随時確認することが重要です。
プライズフィギュアの特徴

プライズフィギュアは、ゲームセンターのクレーンゲームや一番くじなどの景品として提供される商品です。日本の景品表示法により、景品の製造原価は約800円、販売価格の上限は1,000円と定められており、その制約の中で大量生産されます。この法規制は2025年現在のもので、今後変更される可能性もあるため、最新の制度を確認することをおすすめします。サイズはノンスケールで15~20cm程度が多く、塗装や造形は簡素ですが、最近は技術向上によりクオリティが上がっています。
パッケージはコストを抑えるため窓のない箱が多く、中身を確認しにくいため未開封かどうかが重要な査定ポイントとなります。大量生産・再生産が前提のため希少性は低く、市場に出回る数が多いほど買取価格は下がります。一般的な買取相場は100~2,500円であり、人気作品の最新作やくじの上位賞など一時的に高値になるものでも3,000円前後が上限です。こちらもあくまで目安であり、タイミングや需要により大きく変動します。
買取相場に影響する要素
作品・キャラクターの人気
アニメやゲームの放送時期やブームに大きく左右されます。放送直後は買取価格が高騰しやすいですが、時間が経つと落ち着きます。
限定性と生産数
限定版やイベント先行販売品は希少性が高く、中古市場でも高値で取引されやすいです。再販された場合は価格が下がります。
保存状態と付属品
フィギュア本体の状態はもちろん、箱や台座、付属パーツの有無が査定に影響します。スケールフィギュアは箱が豪華で窓付きのため傷がつきやすく、外箱の状態も重要です。プライズフィギュアは窓がないため箱に多少の擦れがあっても影響は小さいものの、未開封かどうかが価格に直結します。
開封済みか未開封か
未開封品は買取価格が高くなります。スケールフィギュアの場合、開封済みでも箱やパーツが揃っていれば一定の価格が付きますが、プライズフィギュアの場合は開封済みだと価格が大きく下がります。
両者の主な違い
比較項目 | スケールフィギュア | プライズフィギュア |
製造目的 | 市販用に縮尺を守り高品質に造形・塗装 | ゲームセンターやくじの景品として提供。景品表示法により価格上限1,000円 |
品質 | 多層塗装・繊細な造形。制作期間が長い | コスト制約で簡素だが、近年は品質向上 |
サイズ/縮尺 | 1/7・1/8など明確な縮尺。大型・等身大も存在 | ノンスケール。15~20cm程度 |
定価 | 数千円~数十万円。限定品はさらに高額 | 景品扱いで定価はなし。入手はくじやゲーム料金のみ |
買取相場 | 3,000円~5万円が目安。希少品は10万円以上 | 100~2,500円程度。人気や新作でも3,000円が上限 |
レア度 | 再販が少なく希少性が高い | 大量生産で希少性は低い |
パッケージ | 窓付きでフィギュアが見える。保管状態が査定に影響 | 簡素な箱で窓がないことが多い |
事例
スケールフィギュアの高額取引
限定版の価値向上
人気ゲーム作品の1/7スケール限定版フィギュアは定価約18,000円でも限定生産のため希少性が高く、数年後に5万円前後の買取価格が付きました。原型師の造形力や塗装の美しさが評価され、欲しい人が多いほど値段が上がる典型例です。
等身大フィギュアのプレミアム市場
数年前に人気アイドルアニメの等身大フィギュアが企業イベント向けに製作され、販売価格は200万円以上しました。生産数が極めて少ないため、企業やコレクター間で数百万単位の価格で取引されることもあります。置き場所や輸送がネックとなる商品ですが、希少性が投資対象として注目されています。
プライズフィギュアの取引傾向
新作効果による一時的な高値
アニメ放送直後などに投入されたプライズフィギュアは、需要の高さから一時的に買取価格が2,000円〜3,000円まで上がることがあります。しかし数か月後には再生産や別バージョンが登場し、価格は数百円まで下がることが一般的です。
くじの上位賞
一番くじなどの上位賞に設定されたフィギュアは通常のプライズより品質が高く、買取価格も2,000円前後と比較的高値が付きます。ただし供給が多いと市場が飽和し、価格が下がる傾向にあります。
まとめ
スケールフィギュアとプライズフィギュアは、製造目的や品質、価格帯、希少性、買取相場といった点で大きく異なります。スケールフィギュアは縮尺に基づいた精巧な造形と高品質の塗装が魅力で、高価格帯ながら希少性の高さから中古市場でも価値を維持しやすい傾向があります。
一方、プライズフィギュアは景品であることからコストと価格に制限があり、手軽に入手できる反面、買取価格は低めです。しかし最新作や限定くじの上位賞は一時的に値段が上がることがあり、人気作品のファンが楽しめるアイテムです。
※これらの価格や法規制は執筆時点での一般的な目安に過ぎず、今後の市場動向や制度変更によって状況は変わる可能性があります。最新の情報は公的な告知や専門店の案内を参照してください。
読者へのメリット・行動喚起
この記事を読んで、フィギュアの種類や買取相場の違いを理解いただけたでしょうか。ご自宅で飾る場所に悩んでいるスケールフィギュアや、ゲームセンターで獲得してそのまま眠っているプライズフィギュアがある方は、ぜひ当店の買取サービスをご利用ください。専門スタッフが作品の人気や状態、付属品を丁寧に査定し、適正価格で買取いたします。
また、これから購入を考えている方には、スケールフィギュアの高い満足感と資産価値、プライズフィギュアの手軽さとコレクション性の両方を理解したうえで、自分の推し活スタイルに合った選択をしていただくことをおすすめします。
価格相場は時期によって変動し、法規制も改正される可能性があるため、購入や売却の際は最新情報を確認することが重要です。
当店は、皆さまの推し活がより豊かで楽しいものになるようサポートいたします。