ふじの国、静岡は藤枝に国産アンティークウォッチ・国産ビンテージウォッチのコーナーが爆誕

全国のアンティーク時計、ヴィンテージウォッチファンの皆様、こんにちは。

いま静岡県の時計ファンの間で、密かな話題となっている?キンバリー藤枝インター店に新しく出来た国産アンティークウォッチコーナーについてご紹介していきます。

日々、お問い合わせも頂いており、記事中にある時計については、すでに販売中の可能性もございます。

あらかじめご了承ください。

国産腕時計の歴史はSEIKO(セイコー)の歴史

いまや世界的な時計の企業であるセイコーが精工舎を設立したのは、1892年のこと。その2年後に日清戦争が起きたという時代です。日本の腕時計の歴史は、セイコーの歴史であるといっても、それを否定する人はあまりいないのではないでしょうか。そのセイコーが、国産初となる腕時計を生み出したのは1913年。翌年、世界第一次世界大戦が起こり、セイコーが開発したローレルも大戦による特需を受ける形で普及しました。

戦後のセイコーは、日本の高度成長ともあいまって、それまで一部のお金持ちしか身に着けなかった腕時計を、生活必需品のレベルまで浸透させていきます。

1969年には、世界初の市販のクオーツ時計「アストロン」を発売し、さらに翌年には、クオーツ時計の特許を公開したことで、世界の時計市場を全く別のものにしてしまいました。

今回は、戦後から1970代前半くらいまでの時計を中心に紹介していきます。

19世紀おわりから20世紀初頭の携帯用の時計といえば、懐中時計が主流でした。

当店(キンバリー藤枝インター店)にある、セイコーのビンテージな腕時計をご紹介!

現在、当店には、約200点のセイコー製のアンティークウォッチがあります(2025年9月現在)。

そのなかでも、セイコー社の機械式腕時計の代表的なモデルをご紹介します。


戦後直後の代表的モデル「マーベル」の上位クラス:ロードマーベル

1956年に発売されたマーベルは、「狂わない、壊れない、美しい」という腕時計の原理原則に立ち返って開発された腕時計で、日本だけでなく、世界でもその丈夫さと精密さに定評を得たモデルです。ロードマーベルは、そのムーブメントをベースとして開発された、国産腕時計としては初となる「高級腕時計」でした。

1964年から発売されたローレルをベースとした後期型、67年に発売されたハイビートモデルを中心にラインナップ

セイコーブランドの高級ラインナップ:キングセイコー

1961年にセイコーの実用モデルの上位として位置づけられたキングセイコーが発売された。
画像は、発売当時に近い初期のモデル。ロービートモデル

キングセイコーは1961年に手巻き式の高級腕時計として発売されました。同時期に発売されたグランドセイコーは、まさにセイコーの技術の粋を極めた最上位モデルでしたが、キングセイコーは、あくまで実用的な水準での高級路線を目指したモデルです。また、あえて似たようなラインナップを別の工房で製造することで、社内的な技術水準の飛躍を目指したともいわれています。

1964年にバージョンアップされて発売されたセカンドモデル。ロービートモデル

セカンドモデルについてはこちらのブログで詳しく紹介しています。
個人的には、GSを開発した第一精工舎(諏訪)とKSを開発した第二精工舎(亀戸)の技術競争と第二精工舎の意地を示す稲妻マーク(亀戸マーク)が胸熱です。第一と第二の技術競争をぜひドラマ化してほしい・・

国際的な技術水準の認定となるクロノメーター認定を受けた45KS
ハイビートモデル

1968年からは、それまでのロービート(振動数2万前後)モデルから、高振動のハイビート(振動数2.8万以上)モデルと切り替わります。
初代の発売からたった7年で3回目の大きなモデルチェンジです。
社内外含めた技術競争の壮絶さが表れていますね。ちなみに、一般的に機械式の時計は、
ハイビートのほうが、精度を出しやすいといわれています。
ファーストやセカンドはロービートでもかなりの精度を誇っていました。
手巻き式のハイビート機種だった45KSは、ハイビートゆえのゼンマイへの負荷から、
ゼンマイ切れが頻発し、短期間での販売となりました。
そして、ムーブメントの主流は自動巻きへと切り替わっていきます。

手巻きから自動巻きへと主流が切り替わる56ハイビート。1968年~

45KSと時を同じくして、自動巻きモデルの56KSが発売されます。
こちらは、GSを作っていた第一精工舎が製造を担当しています。
マークも稲妻マークではなく、諏訪工場製を示すマークが入っています。

そのことも関係あるのか、当時急速に市場を伸ばすクオーツ時計との市場競争もあり、
グランドセイコーとの共存も難しくなったのか、

キングセイコーは、ひっそりと生産を中止することとなりました。


世界的大ヒット商品となった大衆向け腕時計『セイコーファイブ』

セイコーファイブは、様々なシリーズがあり、現在も海外版でクォーツモデルとして販売されている。

セイコーファイブが発売される前までの腕時計は、良くも悪くも高級品でした。ですが、世の中が高度になればなるほど、多くの人が時間の正確性を社会から求められていきます。そうしたニーズ感を汲み上げ、卓越した技術によって汎用性を持たせた腕時計を世の中に広めていきます。それがセイコーファイブでした。

セイコーファイブは、その名の通り、自動巻きや防水などの5つの特徴をもった製品として発売されました。

のちにファイブシリーズへと吸収されていくスポーツマチック(下段)

その他にも、コレクターにはたまらないアイテムも

GS、KSに次ぐ第三の高級時計と位置付けられていたロードマチック

ロードマチック、通称LMもセイコーのヴィンテージ時計コレクターにはおなじみのアイテムです。
キングセイコーよりはカジュアルな感じを持たせた高級時計として位置づけられていましたので、デザインも多彩です。それゆえに、今でも多くのファンから愛されるコレクターアイテムです。

スポーツウォッチの高級モデル、スピードタイマー。写真中央上の青と赤のベゼル、
通称ペプシベゼルはあまりにも有名。

現在のセイコーのハイエンドスポーツモデル「プロスペックス」へと継承されていくスピードタイマー。セイコーファイブのファイブスポーツというシリーズの中のモデルですが、クロノグラフという特性上、多彩なデザインのものが多く、またカラー使いも独特なものが多くなっています。

デザインの特徴によってペプシベゼルのほか、『角目』や『ビッグダブル』、『ラリーメーター』などのニックネームが多いのも特徴のひとつです。

国産初のダイバーズウォッチ(写真右)。自動巻。

こちらも現在のプロスペックスへとDNAが受け継がれていくことになるダイバーズウォッチ。
1965年の発売当時としては、ハイスペックな機能を備えていたことから、かの南極越冬隊の装備品としても使用されました。ファーストモデルは2022年に復刻モデルが出ています。


その他のメーカーの国産アンティーク時計も

シチズン製のアンティークウォッチ

セイコーと双壁をなすメーカーと言えばシチズン。多くはありませんがシチズンのアンティークウォッチもあります。他にもオリエントなどもあります。

オールド時計ファンの皆様是非一度ご来店ください

まだまだご紹介しきれない逸品がたくさん売り場にあります。

多くのコレクターのお客様から、日々買取をしておりますので、新しいアイテムも随時入荷しております。ぜひ時計ファンの皆様一度ご来店ください。


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